宇部港-2(180825)                F6

巨大な幾層ものサイクロンとそれらを繋ぐハイプ、そして集塵機から成り立っているタワー。セメントを製造する際、石灰石などの原料をキルンからの廃熱で予熱するNSP(New Suspension Preheater)である。

日本のセメント製造における熱効率の良さは格別であるが、それはこのNSPによるところが大きい。更に加えて、雑多な廃棄物も燃料の一部などとして大量に飲み込み、しかもセメント成分として有害不要なものを除外分離する装置が付加されている。

とは言え、セメント製造は石灰石の採掘で山の形を変え、石灰石や燃料から二酸化炭素を排出するという根源的な問題点を抱えている。この問題点をいかに低減していくか地道な開発が日夜続けられているのも事実である。

手前の建物はその研究開発を担う部門の建物。現役時代最後の勤務場所の一つ。

 

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