伊佐セメント工場(221011)                       F6

セメント工場特有の光景である。高温の個体、粉体、ガス体の混合、搬送を効率よく扱うため、太い配管、サイクロン、キルン、熱交換器が重層的に配置されている。

この工場は需要の低迷のため2基あるキルンのうち古い方の1基を廃棄することになったという。煙突も右から3本目も解体される。

統合される前の会社では最も生産能力の高い主力工場であった。セメント産業規模が縮小し、会社同士の統廃合や効率化を施しても抗えない現実に、遂にキルン1基解体とは。

多少なりともこの業界に関与した身には些かの寂寞感が。

1年後にはどんな風景になっているのだろう。

 

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